ハロウィンの悪夢
-紙製+ジャンクで2,794円で揃えた「かぼちゃ電車」5連-
前回の食玩ソニックを入手した頃から、中古ホビー販売店を巡回するようになったワタクシ。「即買い」の基準は可動動力車1,000円台、無動力車400円以下である。中古車は古紙と同じく「発生」するものなので、有るうちに買わないと後悔するので買ってしまうのだが、ガチャポン並みに車種がダブる事もある。
最初は300円のクハ115。激安には「当然」理由があって、床下と台車のグレー塗装に失敗していた上に、屋根の通風機が3コ無くなっていた。新品の台車の値段で車体まで付いてくるので、紙製313系を増車する時の部品取りに使おうと買った。
ところが2週間後、同じ店に値札を隠した袋入りの3両アソートが。見せてもらうと、3両セットで500円と激安なのが分かり即購入。改造途中で挫折したクハ111が2両と、緑色のカニ24。クハはおデコ中央に未塗装のパテが盛られ無線アンテナが乗り、床下機器一部切除。期せずして3両のボロクハが廣島支社ならぬ当鉄道へ入る事となった。
とどめに1ヶ月後、出張帰りに寄った名駅そばの「ぽち」で、KATOクモニ143の塗装済み車体が210円。下回りを自製すれば外観はマトモな荷物電車が作れると、これも購入。
こうなったらこれでかぼちゃ電車を1編成仕立てよう、という考えに至った。
ところが例によってパンタ付き動力車がナイ。イヤ正直115系は新品が1両単位で売られており、113系も中古の安い動力車が沢山あるが、中古は大抵TOMIXの最初期型で傷だらけのものが多く、窓枠と車体の間も隙間だらけ。中古を買う位なら暫定的に紙で作ればいいヤと結論した。下回りはKATOの中古103系電動車1500円ナリを使う。
紙で作ったモハ112
今回は型紙を描く必要がナイ。鉄道会社の公式サイトに無料の型紙がある。
JR西日本のホームページに、100両ぐらい色々な車輛のペーパークラフトがあるのを皆さんご存知だろうか。これが見事なスケール物で、66%程度の倍率をかけて印刷すれば日本のNゲージ1/150のスケールになる。
屋根を綺麗に丸めるのが難しそうなので、紙は食玩ソニックより1ランク薄い174g/m2のマットコート紙、北越ミューマットを使った。
外観はこの通り。ちゃんと屋根にRが付いたところにご注目頂きたい。エアコンも紙製。後付け簡易タイプはこんなにデカくない筈だが、型紙から作ったので大目に見て。
モハ112の屋根周りを見る
パンタとそのランボード、グローブ形ベンチレータはKATOの103系ジャンク車の廃車発生品。前回紙製313系に床下を譲った、残りの車体から外した。ちなみにこの廃車体、窓ガラスや屋根も全てエポキシ系接着剤で固めてあった。修理不能というか、何考えてたんだ前作者。屋根の2台の後付けエアコンもエポキシはみ出しまくっていた。
紙製車体の中身
当初はクハ111の2両を主用とし、最初に買ったクハ115は使わない積りでいたが、調べると床下の失敗塗装は別として115の状態は割と良い事が判明、そこで113系から押込通風機を移植しようとしたが…アレ取付穴が違う。(笑)同系の同じ外観のパーツでも金型が違うのか。仕方なく残りのベンチレータを全部ひっこ抜き、代わりに手元にあった、240円で買えたGM製の通風機を接着して直した。(純正部品で直さないセコさが迷)床下の失敗塗装は無視。この結果、この115が一番早く復旧した。
ベンチレータだけGM製のクハ115
デカ目、非ユニット窓の初期型車体。私の脳内ではクモハ115の積り(笑)。いつかお金ができたら、クモハ用床下を買って入れ替えよう。実は相方となるクハ111がシールドビームでユニット窓の後期型、と系の登場順とは逆転している。実車ならクハ111を115系に改造編入した形になるのでは、と勝手な想像。
改造放棄ボロクハ111は、銀色のデカいAU75Gエアコンを載せてるほうが比較的キレイなのでこちらを主用とした。もう一両は増結用に。
おデコを塗ったクハ111
連結面側の車体付け密着連結器(TNカプラー)を外し、台車マウント式アーノルドに先祖還り改造。密連が接着剤ハミ出るベタ付けされており、破壊撤去しか無いと覚悟したら…手でコジったら取れた。(悶)セメダインCか何かで付けたらしい。雑な元改造のお陰で、連結器が再利用可能に。
台車はトミックスガイド指定どおりの魔改造でカプラー基部が切除されていたが、何かのベロが幸い残っていたので、これに食玩ソニックに類似したカプラー取付板をプラ板から自製、ゼリー瞬間接着剤で貼りつけた。スプリングを省略したドローバー仕様なのは同じ。但しカプラーは短柄のJC1を使った。
自作カプラー受けを取り付けた様子
クモニ143の床下は全て自製した。1.2mm厚プラ板を2枚重ねにし、当初はぽちで買ってきたGM製TR12を履かせた。荷物電車に新性能電車があると知らず、間違えて買ったのだ。(汗)アーノルドカプラーをマウントした台車なので諸工作は簡単。但し台車の台座は板厚を下げねばならず、悩んだあげく3.5mmネジ用ワッシャを使った。台車をつけるとまだ床とのクリアランスが足りず、0.3mmプラ板でさらにワッシャを足してようやくok。
床下機器は新性能M車の模型を参考に、看板的な書き割りを作った。但しこのままでは精密な車体と釣り合いが取れないので、面倒だが機器の形にくり抜き、背中は3mm角プラ棒で支えた。お陰でパッと見では分からない程度には作れた。
最初に作った床板と床下機器
ところがここからやり直す羽目に。車体を載せて完成ルンルン…と思ったら、ボロクハの運転席側が全部TOMIX密連なのに後から気づいた。これでは連結できん。ここでさっきの密連が役立つことになった。しかし新品の台車からカプラー基部を切り落とすのが嫌で悩んだ挙句、緑色のTOMIXカニ24がそれっぽい台車なので転用することにした。ネジ止めする同社の台車はKATO初期タイプと構造がまるで違うため、結局一から作り直し。(汗)
台車をはめるボスの作成に困ったが、手元にあったアリイのHOゲージEF65の余った予備部品(たぶん車軸)がほぼ同じ寸法と分かり、切断切削して使った。中心孔が大きすぎるため、ローソクで熱した伸ばしランナーを熱いまま詰め、1.6mm穴を開け直した。
カプラーは床板端面を削り1.4mmビス2本で固定。床下機器はさっき作った奴が幸いネジ止めだったので、そのまま転用。仕上げ塗装は簡単に黒マジックで。(笑)
書き割り床下のクモニ143
トミー製TMカプラーを実装。お陰様で正面はこの面構え。
なお余った床板は、前回のソニック中間車の試作車体が残っていたので、これと組み合わせて増結用に使い回した。車体を捨てなくて良かった、これでソニックも4連に。
妻子が帰省して家を空けた日を狙って塗装作業。クハのおデコの改造放棄部、アンテナ周囲の憎いパテ跡を消す。この程度なら部分的な筆塗りのタッチアップで充分だ。
塗料はGMでもマッハでもなく、クレオスの日本海軍機色(三菱系)。ナニー?とか言われそうだが、下手に調合するより良いです。小さい面積のタッチアップなら色味の差はさほど目立たず、白とか黒の極端に色が違う部分を少しでも隠すほうが効果的だとペーパーキット製作の時に分かったので。…いいじゃん実車だってパッチワークで塗装直してるんだし(笑)ガムテープで直さないだけ感謝しろ。(誰に)しかし三菱と中島で微妙に色が違うとは、53才になって初めて知ったな。(笑)
おデコの無線アンテナの周囲を日本海軍機色でレタッチ
マスキング済の車体。
あとは屋根についていた銀色などの変なシミを、クレオスのうすめ液を浸した綿棒で擦り落として…いったら屋根の色も取れかけて慌てた。(汗)何とか目立たない様にした。
一両のエアコンはAU75でもグレー色のモールドのまま。別売り部品のAU75Gは銀色で僅かに大きくディティールも精密だ。ボロく見えるし不統一が嫌で、タミヤのアクリルカラーのシルバーを塗って揃えた。但しこの銀は同社のエナメル系と違って、粒子が粗い。
作業の前に、間違って車体を汚さない様にマスキングテープで車体を覆ったが、はがす際に増結用クハの運転席窓が無くなって慌てた。必死で剥がしたテープを探すと、幸い貼りついていた。(汗)こういう事があるから旧車のレストアは油断できない。タミヤセメントで貼り直した。
こうして完成までほぼ3日かかったが、ついに完成。紙製電動中間車の色が鮮やか過ぎてメチャクチャ目立つ(悶)が、これも魔編成の妙味であろう。
いっそのこと岡山の117系改造中間車とか、ステンレスの2階建てサロを入れて、一両も同じ形の車両が居ないアソート編成にしてみたくなったな。(笑)
後ピン写真ですみません
【支払総額】
113系先頭車2両500円☓115系先頭車300円+同通風機240円+中間電動車下回り1500円+クモハ143車体210円+カプラー12円☓1 ※パンタ、台車、密連等は廃車発生品
=合計2,762円。
TOMIXの現行6両セットは18,000円。5/6で15,000円として私の入手目標額、定価の50%を大きく下回る18.41%と、前回の食玩ソニックに次ぐ好成績でした。