HOのフレキシブルレールを

急カーブに曲げる方法(R 200

 

 

「とれいん」誌に載せて頂いた20141月正月運転。

この当時、実はすでにトラブルに悩まされていた。

 

 「とれいん」20153月号の、正月運転レポに載せて頂いた、当「大村鉄道」の循環軌道線こと

HO+プチ電車用半畳レイアウト(600*900mm)。

 実は昨年末ごろから、一部の車両がカーブで動きが渋くなるトラブルが発生。調べると急カーブ

の部分でゲージが0.5mmほど詰まっているようです。枕木が経時劣化したと思われますが、新レール

への付け替え以外に良い対策が思い浮かびません。原因が分からないと、新しいレールをつけても

また同じ事になるのではと心配です。だって新レールは1本600円以上するのに…。

テキスト ボックス:  
TMS2009年4月号

 

 そんなある日、静岡市のさの模型で鉄道模型趣味(TMS)のバック

ナンバーが安売りされていて購入。その20094月号を読むと、

名古屋模型鉄道クラブの青木本一氏が製作した組み立て式軌道線

(トロリーライン)レイアウトの記事が出ていました。

 このレイアウトは路盤が5mm厚ベニヤ、ベースに発泡スチロールの

厚板を使っており、私の「軽薄短小」レイアウト思想を高度な形で

実現したスゴい作例でしたが、その記事中89ページにこんな記述が

ありました。

 

「フレキシブル線路でもR 200のカーブは曲がってくれません。騙しながら

数回繰り返し曲げてみましたが、プラ枕木が全部駄目になりました」

 

 当鉄道はR 250。だから枕木がギリギリ保ったのかもしれませんが、

無理な曲げ方をした事に変わりはありません。それなら、青木氏の

方法で解決できるかも…。

 その工法は簡単ですが根気の要るもので、まずレールを枕木から

引き抜き、幅6cmほどのカーブを描いた治具を万力にセットし、レールを挟み1cmずつ送りながら

万力でプレスして曲げ癖をつける、と先の記事中で説明されていました。

 

 

 とにかく書かれた通りにありあわせの木材(9mm厚のベニヤ板)を廻し引き鋸で切ってR250mm

の治具を作り、万力で挟んでみたら……加圧すれば曲がるけど、万力を緩めると

ピョコン」と元の真っ直ぐに戻ってしまう。

 …ボーゼン。

 なんだよウソじゃねぇかょ金返せ(って本代しか払ってないが)と悪態つきつつ、それ

でも他に解決法がないのでともかく辛抱して作業を続けてみると、アラ不思議。10cmほど送った

頃からだんだん曲がり始め、しまいには治具の曲がりを上回るR210ほどのカーブに

ホントに曲がってくれました。青木さん

ゴメンナサイ。

 

 

 途中からはどんどん曲がる  R250よりも深く曲がってしまった…

 

 これに枕木と枕木の間のレールの裏のプラを所々切ったフレキの枕木を(繋がったままだと

枕木同士が突っ張って曲がりにくい部分が出来てしまう)はめ直し、カーブの終わりでレール

を糸鋸で切って直線部分とジョイナーで繋げました。

 すると、曲げ癖をつける前は接合部で「く」の字型に曲がったり、それを避ける為に入れた

短い直線部分のせいでもっと急カーブになってしまった部分が、何ともキレイにスッキリ繋が

りました。車輛の通過も幾分スムーズになり、12Vかけて電車を暴走させても脱線しなくなりま

した。いやめでたい。先人の教えには素直に従うものだとつくづく思いました。

 

 この問題は恐らく、16番で標準的に使われてきたコード100の太いレールを使う場合に起き

ると思われます。トロリーラインなど急曲線のレイアウトを作ろうとしてお悩みの方は、この

方法を試してみて下さい。

 

【後記】後から考えてみると、昔フレキ線路が無くて一本ずつレールをスパイクしていた頃は、

みんなこんな風にカーブを作ったのでは、と思いました。カワイモデルで買った昔の売れ残りの

木製道床の真鍮レールなんて、コード120位あるぶっといレールで、下拵えしなきゃとてもカー

ブしそうにない。それでもH0ゲージの創世記にはレールがあるだけでもマシだったのでしょう。