千円で出来る自動運転
-電動逆転機を使った半導体ナシ自動運転装置-
自動運転のようす。
鉄道フェスタなどのイベント・展示会の時、半畳レイアウトも置けない様なスペースし
か無い時でも模型電車を走らせたい時、短い直線を自動で往復運転できるといいなと思い、
突然自動運転にとり憑かれてしまいました。(笑)
早速ネットで検索してみると、CQ出版社から文献が出ているほか、TOMIXから1万円位
で既製品も出ている事が分かりました。
しかしパソコンを使わない簡易なものでも非接触センサーは回路を作るのが難しそうだ
し、多少はお金もかかる。TOMIXのならさらにカンタン多機能だけど、たかが線路を行っ
たり来たりするだけの事に1万円も投資するの? と思うと二の足を踏みます。
大体いつショートで火花散らすか分からん当社のボロ車輛(悶)を、繊細な半導体出力
のコントローラーなんぞに繋いだらいつ故障するか分からないし、壊れたらODAで途上国
に寄付した高価な医療機器みたいに(爆笑)それっきり放置になりそう。
往復するだけの簡単なモノ、何とか半導体デバイスなど無しでできないものかと考えて
いると、亡父のジャンクで作ったパワーパックの、昔ながらの逆転器が目に留まりました。
レバーの半回転でプラス・マイナスの出力が逆転する簡単なスイッチ。同じ仕組みがタミ
ヤの電池ボックスや、アリイのHOプラモデルのEF65・66にも付いています。
この回転をモーターでやれば、そしてそのモーターを切り替えごとに一時停止するよう
にできれば…自動的に往復できそうではないですか。
そう考えて、まずはスイッチひとつで前後進が替る電動逆転機を作ってみました。
★電動逆転機エンタープライズ
製作中のエンタープライズ0号
接点となる電極の円盤の形から、勝手に「エンタープライズ0号」と命名。(笑)
元となるギヤボックスはタミヤの工作セットの3段階組換可能ギヤ。600円くらいの品
物です。電動ポイントマシンを作りたくて買い置きしておいたモノ。これを横置きして、
シャフトに1.2mm厚プラ板2枚を重ねて作った直径5cmの円盤を差しました。
円盤にはギャップを切ったアルミ箔が貼ってあり、ここに0.1mmリンセイ銅板で作った
ブラシを通じて、モーターへ電流が流れます。円盤はモーターからのギヤに直結されてい
て回転しますが、ギャップで半周ごとに電流が切れて止まるシカケ。
モーターが自分の力で自分が動くための電源を切ってしまうというところが、この仕掛
けのミソというか面白いところ。
このブラシの接点に並列にパイパスするスイッチをつけて一瞬押せば、止まったモータ
ーが次のギャップが来るまでまた回ります。先の写真はその動作を確認したところ。
次に、電車を動かすための電源を逆転する部分を作ります。
先ほどの円盤の内側に、1.2mm厚プラ板1枚で作った、直径4cmの別のパターンのアル
ミ箔を切った円盤を固定します。下の図のように、外部電源からブラシと回転軸へ供給さ
れた電流が、半周ごとにプラス・マイナスを逆転されて出力されます。モーターが止まる
位置では、どちらかの極性になっています。
極性反転の様子
つまり円盤モーターのスイッチをボンと短く押すたびに、モーターが回り極性が逆転す
る。試しにプロペラ付けたモーターを繋ぐと…おおっ確かに逆転するっ。(喜)
このスイッチを線路の両端に起き、出力を線路に繋げば、線路を自動で電車が往復でき
るはず。…という事で、にわかに実現の可能性が高まりました。
組立後にプロペラ付きモーターで実験中
★車両センサー(と言うか車止めだ)
あとは線路の両端に置くセンサースイッチを用意します。
…それでこしらえたのがコレ。スイッチというよりも全くもって車止め。(爆)
センサーというより車止め
自動運転と言うとCdSやSPD使う非接触式を想像した方も居たかも知れませんが、残念
ながらマッタク違います。(苦笑)せめて磁気式のリードスイッチやマイクロスイッチ使え
と言われそうですが、全くお金が無いので手元のプラ板とリンセイ銅板で作った。
一応工夫してあって、カプラーでぶつかると脱線の可能性が高いため、車体で押せる様
にレール上面から9mmまで空間をあけてあります。車体が当たる部分は、娘が「おとーさ
んの岳南電車工作用に」とっといてくれた、イチゴの中敷きのスポンジを貼りました。前
面にデッキのある機関車や精密パーツをつけた電車には向かないスイッチです。
いいんだ実証用だから。頑張ってカッコ良いスイッチ作っても、システムとして作動し
なきゃムダになってしまうから…。
という事で早速実験してみると、おお! 車止めにトツゲキした身延クモハ123は見事
に反転して戻ってくるではないですか。アリイの工事用機関車は最初は軽すぎて空転して
スイッチを押しきれず駄目でしたが、接点の隙間を1mmに調整したら、何とか折り返して
くれるようになりました。
後は反対側のスイッチを作ってテストすると…無事に自動運転成功。やったやった。
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