混結特急
-2,650円の格安ジャンク車で161系+157系混結編成を再現-
中間車がモハ156なら実現可能な3連。前後で顔が違う「とき」が短期間、実在した。
富士市内の個人経営のリサイクルショップで、自分史上最安の181系を入手した。
ボンネットのクハ181が2両、モーター入りのモハ181入り、自走可能な5両なのに
全車均一1両150円、全編成で750円。即購入。
例によって安いのには訳があり、何とKATOの最初期モデルなのだった。これはライト
の類が一切点灯しない。Nゲージがそういう仕様になる以前の製品なのだ。
当然走行暦はあり、車輪は青く錆が出ている。チョット見は良くても、何があっても
オカシクはない。でも買ったよ。安いから。(笑)
運用開始に際して、そのままでは面白くない。しかしつばめなどの名列車編成を作る
には車両が足りない、広窓のクロ151が。でもバラではなかなか見かけない。
1両150円で買ったKATOの181系最初期モデル。
そんな中、たまたま古本屋で100円で買ったアゴスチ-ニの「鉄道DATAFILE」を見たら、
日光準急や伊豆行き特急に活躍した157系特急が、161系に混結されて上越特急「とき」で
走った事例が紹介されていた。
←100円で買った「鉄道DATAFILE」
表紙に子供が凸電をイタズラ書きしていた。EF13らしい。
時は昭和39年4月、新幹線開業を控え151系特急車の
東海道から山陽への移管準備でクソ忙しい時に、特急富士が
静岡=草薙間でダンプと踏切事故ってクロ151がおシャカに。
普段でも足りないボンネット電車がもっと足りなくなった。
当座の数日間は何と急行型の153系が「こだま」に使われ
(「替えだま」とか言われた)、その後は上越線「とき」の
クハ161が東海道へ出された。それで玉突き式に、フツーの
運転席の157系が、5月末から上越線へ応援に出たのだ。
7月には前出の事故に遭ったサロ150から急遽浜松で改造されたクロ150(窓が狭いのが
特徴、数か月で再改造されて消滅)が東海道へ入り、この運用は解消したという。
このウンチクをタネに、他人に自慢してやろうと考えた。
盆前の出張で名古屋の「ぽち」に一両だけあったKATOのクモハ157、今もあるかしら~
(因幡晃)と盆明けに行くと…まだあったよ。(笑)同じ1,500円で。(苦)
たった一両で残りの全編成の2倍の価格(悶)とは腑に落ちないが、普段なら
編成セットでしか買えないので、断腸の思いで仕方なく買った。
(後述するが実はクモハ+モハの増結セットがあった)
でもこの判断が、結果的に正しかった。
安いほうを調べたら、クハ181の1両が破損していたのだ…
それも明らかに「分解し損なって」。
事故車と判明したクハ181。連結器カパーが取れ、運転室の天井がめくれあがる。
損傷部分の写真。こんなん撮ってると自分が損保屋さんのような気がしてくる。
屋根のスキ間数個所にセットドライバーでコジった傷跡が。貫通扉にも側面窓にも、
床板の爪にも。(キハ80電動化で私を悩ませたあの爪です)運転席上でも屋根板が
めくれあがり、前面の連結器カバーも紛失。あたかも踏切事故の実車の様にボロボロに
なっていたのだ。
まあ確かに分解整備はジャンク車で練習するものだが、もう少し上手くやれなかった
のかね。(タメイキ)修理出来ないとは言わないが、時間がかかるのは間違いない。
ここはあっさり休車扱い、廃車体置き場へ。(悶)後日前出のクロ150-3建造に使う
方針。きっとマ●クロエースあたりで完成品化していそうだけど。(と書いて調べたら
リーマンショックの年に模型化していたよ8両セット22,575円で。
何でも作んなやマ●クロエース)
モーター入りのモハ180は車体を分解して動力の様子を調べる。
M車の場合、妻板どうしを指でつまんで内側に押しながら、貫通扉の窓から棒を入れ
屋根を押せば、パカッと外れる。KATOのカタログに書いてある通りだよ。
モーター入り車体の分解方法は、プラ車体に床のあるT車とは異なります。
ゴムタイヤを使う以前の動力で、とてつもなくバラストがゴツイ。そして、くそ
でかいモーターが回転子丸見えで入ってる。少しでも冷却しようと考えたのだろう。
ゴムなしで12両フル編成を4%の勾配をクライマックスまで押し上げる(KATOの標準
仕様です)事を考えればこうなるのだろう。今の華奢な鉄コレ動力とは正反対である。
とてつもなくゴツい動力ユニット。モーターの巨大さに注目。
モーターに直接通電するとまあまあ回ってくれたので、車輪磨きのみで試走させる事
にした。裏返しで通電しながら耐水ぺーパーで車輪の踏面を磨き出す。
ここで不具合発覚。第3軸の右側車輪が、車軸がゆるんで左右独立に動き、あたかも
タルゴのごとき状態。(笑)ポイント通過時の割り込み脱線が心配だが、走らせてみて
判断する。走行に耐えない様なら修理しよう。
クモハ157は最近の車両でライトも点灯する。カプラーはKATOの密連タイプ(ジャン
パ線が渡してあるタイプ)が付いていた。当然アーノルドとは連結できないので必殺技
「アーノルド戻し」を施工する。
「アーノルド戻し」は今回、鉄コレの残部品を利用してカンタンに。
密連を外すと、幸いカプラー基部がそこそこの大きさで残っている。先日、静岡のポポ
ンデッタで400円で買ってきたジャンクパーツの、鉄コレのアーノルドカプラー&ポケット
を当ててみると、何とか取り付けられそうだ。台車側にクサビが入るように刻みを入れ、
ゼリー瞬間接着剤で固定。強度がチョット気になるが、専ら先頭車として推進運転で運用
する予定なので、これで様子を見る。
台車周りには汚物パイプなどが付いている。撤去するつもりだったが、幸いカプラーと
ぶつからないのでこのまま。
しかしこのクモハは大柄で、連結すると古い181系とは車体断面の大きさの違いが一寸
気になる。昔の積水金属では蒸機は大柄に、電車は小柄に模型化していた様だ。まあメー
カー完成車のスケールが絶対的でない、という事をコドモ達に教えるのも一興であろう。
これで編成組成完了。テスト走行で249R、5番ポイントS字通過を確認できたので、当
鉄道で正式に運用に入ることになりました。やれめでたし。
後は「とき」のへッドマークを付けるだけ。幸いケース内に古い粘着ラベル式のがあり、
切り抜いて貼った。ちなみにマーク基部は透明パーツになっていて、後日自照式で光らせ
る構想があったようだ。(発売当時は純正照明キットとかあったのかな)
あと上越対応161系クハからついた赤いナマズヒゲは、0.7mm幅のマスキングテープを
赤マジックで染めてから貼りつけ。塗装じゃないんだよへっへー。でも実車の写
真を見たらもっと長くてゼンゼン違う。481系とは違うのか(汗)これも後日改良しよう。
赤マジックで塗ったマスキングテープを貼ったナマズヒゲ。
実際の181系とはゼンゼン違った。(笑)
幸運な特価品の結果なのでやってもしょうがないがコスト評価。
KATOの現行151系は8両で19,950円、1両あたり約2,494円。157系あまぎ増結セット
が4,305円、1両あたり2,152円。151系を5両で計算すると総額は14,622円。
対してこちらはジャンクカプラー400円を足しても総額2,650円、18.1%。
金属車輪に変えた食玩ソニックの17.9%に迫る歴代2位の好成績でした。
しかし食玩ソニックでは、いまフランジ裏面を削ったプラ車輪に戻す工事が
進んでいるので(悶)、また水はあけられてしまう。千円台の車両が編成に入ってしまう
と、食玩ソニックの12.8%という怪記録はチョット破れないでしょう。(笑)
ちなみに外した車輪は、直近UPした遠鉄ED28に入ってます。