食玩特急2

1)-3,064円で作った787系リレーつばめ3両編成-

 

 またも後ピンすみません

 

 前回883系ソニックを取り上げたバンダイのNゲージ食玩「スタートレイン」シリーズ。

 実は続きがあって、883系ソニックを入手した富士鑑定団には787系リレーつばめも2

あった。これは有るうちにとソニックと同時に350円で購入していたのだ。

 先頭車しか無いのは同じ筈だったが、実はあったのだ。KATO製の増結用のモー

ターなし中間車が、名古屋の「ぽち」に860で。前回少し触れたが。

 少し高かったケド、ソニックのパンタ廻り研究用も兼ねて買ってしまった。この中間車を

電動車化し、先頭車2両には新たに台車へ連結器を付ければ走れるようになる。

かくて魔改造へレッツゴー(悶)である。

 

KATOTOMIXも電車にはモーター付きの高価な基本セットと、廉価なモーターなしの増結

用セットで各形式を販売しているが、中には165系など増結用セットでも両端運転台付とい

う奴がある。

こうした増結セットの中間車を電動車化できれば、高価な基本セットを買わなくてもその

形式が運転可能な編成で手に入る。いやぁコレで良いじゃないですかと思うのだが、実際に

は壁がある。

 厳密にその形式の床下を手に入れようとすれば修理用のアッセンブリー(組品)で入手でき

るが、売価は決して安くない。非常識な安価で入手しようとしてるのだから、そんな正攻法

ダメー!(悶)

 ならば台車などの相違を例によって無視(笑)して中古ゲタ電からと思ったが、今回そう

はいかない。787系は何と21m車なのだ。さすが特急王国JR九州、と感心しているバアイで

はない。動力ユニットを切り継ぎなんぞしたらメンドウな事になりそうだ。

 

 奇跡は例によって中古店から(笑)やって来た。

 最近、巡回経路に含めた藤枝鑑定団。カツミのHO583系先頭車が4,000円で出た。ビン

ボー人の私には一寸微妙な価格でその場で決心つかず、2週間後にようやく買いに行くと案の

定、売れてしまっていた。

 ガッカリして空のショーケースを眺めていると、その奥に見慣れない細長い紙箱が。よく

見るとGM製の動力ユニットの新古品が2個、何と11,080円で並んでいる。中古動力車以

下の値段で分解清掃とか車輪磨きとかしなくてもイイ(笑)汎用動力ユニットが手に入る。

台車形式などさしあたりどうでも良い(笑)当鉄道では即買いであった。

 後からよく見ると(先に見ろよ)、2つのうち一つはKSナントカを履いた近鉄ビスタカー

21m車用だった。何たる幸運。私が他の車両を狙っていたら余剰部品になるところだ。これも

巡り会わせであろう。しかし私鉄の癖に21mとは近鉄恐るべし。

 かくて12月の貴重な夜3日間で作業にかかった。

 

 中間動力車については今回あまり苦労がない。

 KATOのカタログにある通りに、車体側板を裏の端から指で少し広げると、床板はすぐに外

れた。代わりにGM製の動力ユニットを入れるのだが、これがKATOと親和性が高い、という

か適当と言うか。車体の寸法は大体合ってるので、説明書通りに付属の両面テープで側面を

固定するだけだ。

 動力ユニットの取付説明書

 唯一の問題は、787系は天井が低いため動力ユニットがぎりぎりの寸法だったこと。

 このため中間車は動力ユニットで一杯。室内照明は不可能である。

 まあスタートレインからの改造では、フラット紙おむつ式台車や床板の構造上、集電や

ライト点灯などは大改造しないと不可能だし、当初から考えていないのだが。

 

 動力ユニットには床下機器は入っていない。GM製キットでは車体側にローレリーフ的な

床下モジュールが2個ついており、これを床下へ貼り付けるのである。

 しかしKATOの場合、床下機器は床板に一発成形なので、糸鋸で切り出すしかない。バー

ジンの床を切るのはちょっと気が咎めたが「他にどんな方法があるんや、そもそもこの車

860円でウチに来た時に道は踏み外してるんだ、再び走るしか生きる道は無いのや」と

自分に言い聞かせ、2mmドリルで休み穴を空けて糸鋸でガシガシ。台座を残して2mm厚程度

に切り、ヤスリで仕上げて貼り付け。長さが一寸合わずに一部の突起や箱を外したがこれ

は仕方ナイ。

 機器を切り抜かれた床板と残部品

 

 先頭車連結面のカプラーはソニック同様、1.2mm厚のプラ板細工。前回同様に長柄のアー

ノルドカプラーを、下図の様な取付板を作って台車へゼリー瞬間接着剤で貼り付けた。0.1

mmリンセイ銅板での補強や、スプリングの省略も同様。前例があると楽だ。

 

  自作のアーノルドカプラー取り付け台座

   カプラーを付けた台車

 

 今回も床板の小加工を行う。構造が違うため最初は車体を組み立てたまま作業しようと

したが、却って車体を傷つけると分かり結局分解。箱の裏側にある図を参考に作業。この

電車では天井から車体が開く様になっていたのは驚き。床板が透明プラで、運転席妻板を

固定する突起がヘッドライトを表現するなど、かなり衝撃的なパーツ割であった。

 衝撃的なパーツ割。大胆な部品構造である

 

 矢印がオリジナルのカプラー突起。ここを削り落とす

床板後端の連結器と胴受をドライバーで外す。カプラー基部の逆T字型の突起は削除。

台車の当たる床板基部もカプラーの上下動を見込んで心皿の手前まで厚さ0.5mmほど削

る。連結面側の妻板も、下端がカプラーと接触する懸念があり1.5mmほど切り飛ばして直

線にした。

 床下機器は軟質プラ製で床板にボッチで嵌めこむ構造。ソニックとは違う構造で床板を

歪める心配がないので、走行性は良いと思われる。

 

 車体を再組み立てしていたら、うっかり先頭車のおデコのヘッドライトを脱落させてし

まった。(大汗)歪んで付いてる気がして指でコジッたら「パチン」と弾けやがんの。接着

してないとは知らなんだ、必死で探して発見、タミヤセメントを使い接着。

 床板に台車を取り付ける際には先にピンを削るなど、台車がスムーズにはまるようにす

る。今回は台車の穴がうまくあかず、台車を押し込む時リンセイ銅板が剥がれる不具合と

格闘。結局リンセイ銅と台車の穴を3.5mmより若干ヤスリで広げて解決。

 カプラーは動力車と向かい合わせて高さを揃え、ゼリー瞬間接着剤で固定。台車の辺り

の車体側には粘りを減らしたセロテープを貼ってマスキングした。接着剤が固まる時に出

す、白い粉汚れが車体に付かないようにするためだ。

 

結果的にはソニックの時ほど苦労せず、めでたく完成。GM動力ユニットのお陰で、あり

がたいことです。

【支払総額】

先頭車350円☓2KATO製中間車860円+GM近鉄電動車下回り1,080円+カプラー12円☓2

KATO製車輪400

=合計3,064円。

 KATOのアラウンドザ九州仕様7876連は定価¥16,200、同社の特価通販で¥13,770

後者の3/66,885円とすると44.5と、これら魔編成の私の入手目標額、定価の50

は下回ったものの比率は以前の2例よりだいぶ悪い。しかし紙製車を含む前例と異なり、

全車プラ製で近い水準のディティールを備えている事は良い。

 しかし最大の問題として、先頭車と中間車で塗装が違う。中間車は2001年ロットの

ものらしく車体上半分は明るいシルバーである。対してバンダイ製先頭車はアラウンドザ

九州の全身暗いシルバーである。どちらかを再塗装するのも大変なので、当分はこのまま

我慢して運用する他はなさそうだ。なまじ精密感が近いせいでで却って色違いが気になる

とは、ううーむ。()

入っていたお菓子。賞味期限200512月。今度は食べませんでした。(笑)

 

【後記】編成完成後の新年1月に名古屋のぽちに行き、前回購入を断念した中間車の片割

れを探してみたら…ジャンク車の山の中にまだありました。()

結局半年間売れないままでした。そりゃ1両では用が無いよなと、これも860円で購入、

これで4連に。しかし今度こそバネ入りアーノルドカプラーを装備しなければならず、工

作方法を思案中です。薄い金属板でカプラーポケットを試作してみるかな…。