岳南電車株式会社 モハ7001型電車
HOゲージ版ペーパーキットV2.3 作り方
用意するもの:木工用ボンド、両面テープ、30cmプラ定規、ボールペン、カッター、下敷き、ピンセット、オレンジ色のサインペン、割り箸 など
※シリーズNo.1 クハ8101、No.2 モハ8001(HO版)の作り方が参考になります。
【上手なつくりかたの例】
(1) まず台車と床下機器を作ります。
写真1、2 くり抜き・折り曲げた台車
床下機器は折り筋に表から弱く筋付け(筋切り)すると、角をキレイに曲げられます。
写真3 床下機器の筋切りの様子
【筋切りのやり方】
◆マーク同士の折り目に正確に沿って、表からごく弱くカッターで筋を入れます。カッター自体の重みだけで、スルッとなぞる。表皮1枚を切る感じです。
←写真4 床下機器の折り曲げ。定規で正確に。
写真5 箱組み済みの台車と床下機器
(2) 妻板(運転席正面)上側の屋根の肩カーブに切れ目を入れます。
天井とつながる部分は幅6mm(ヘッドライトケース位)を切り残します。
←写真6 屋根カーブの切り始め位置
(3) 車体を切り抜く前に、裏から▲印どうしをボールペンの先で筋押しして下さい。(図1)
←図1
運転席正面の鼻筋には、下端の▲印から(2)の屋根カーブの切れ目までタテ筋を入れます。(写真7)
←写真7 鼻筋を入れ始めたところ。
屋根カーブのはじまり(ヘッドライトの天辺)の所から運転席の下端まで。
写真8 筋押し済の車体裏面
(4)外側のりんかくに沿って車体を切り抜く。
写真9 くり抜き済の車体(裏面)
(5)切り抜いたら、中綴じ週刊誌の上に置いてペン軸などの丸棒で押し、天井の丸みをつけます。
写真10 屋根に丸みを 写真11 車体折曲
(6)車体を折り曲げます。折り筋に定規を当てて、全部の折り目に折りを入れます。(写真11)
写真12 折り曲げ済みの車体
(7)車体の折り目を全部入れたなら、次に床下機器を貼り付けます。(車体ねじれ防止、写真13)
両面テープを使う方が良い。木工用ボンドでは湿気で紙が伸びるため、歪みが出易くなります。
写真13
箱組みの前に貼り付けた床下機器。
車体の歪みを防ぐ補強材の役割をする。
(8)車体の箱組みを始めます。
床板を貼りつけ、車体を筒型にします。車体中央の合わせマークを合わせるとともに、
筒状の車体が両端で捻じれないよう注意して下さい。
写真14 箱組み中
写真15 合わせマークを合わせながら貼る
粘りを弱めたテープで仮止めすると楽です。
(セロテープを一度タオルなどに貼ると糸くずで粘りが減ります)
車体が筒型になったら、断面の形を正確に出すための治具を、
運転席(妻板)を貼る側の台車穴手前まで押し込みます。
←写真16 治具挿入
(9) 前後の運転席(妻板)の側面を車体へ貼り、筒型の車体を箱にします。
妻板はまず車体の側面へ貼ります。前面中央にある白帯が側面のそれと
段差なくつながるように位置を合わせます。
のりしろに運転席下の床側からピンセットを入れて圧着します。(写真17)
←写真17 先に側面
写真18、19
後から床を塞ぐ
妻板が車体の側面についたら、運転席下方の床を塞ぎ、下端の折り返しを貼って完全に固定します。
妻板が付いたら、反対側に治具をはめ直し、もう一枚の妻板も貼ります。
箱型に組み上がったら、台車の穴から治具を折り曲げて抜き取ります。
※ 強度が不安な場合は、妻面と天井の継ぎ目に、裏から糊を流して完全に固定します。(図2)
図2 屋根と妻板の角の固定方法
(10)床下機器の膨らみ止めを、床下機器の中央に左右をつなぐように貼ります。
←写真20 床下膨らみ止め
(11)車体の糊を乾かす間に、エアコン、ランボードを作ります。
写真21、22 エアコンの製作
天板の四周を筋切り(前出)してから折り曲げると、シャープに角が出ます。
折り曲げを充分してからのりをつけて箱組みします。
写真23、24 ランボードは切る前に折る
ランボードの加工。表からカッターでごく浅くなぞり傷を入れ(筋切り)
定規を当て直角以上に折り曲げます。その後に細く切って仕上げます。
※ 先に細く切り抜いてしまうと、足の部分がうまく曲がりません。要注意!
(12)パンタグラフを作ります。
上枠・基台ともに先に直角以上に深く折り曲げ折り癖をつけてから切り抜きます。
枠が途中で折れ曲がるのを防ぐのが目的です。(写真25)
写真25 パンタも先に折り曲げてから切り抜く
写真26 くり抜き済みのパンタと基台
写真27、28 パンタの組み立て方と完成
★ 特に急がない方は、ここまでで一休み。
糊が乾くまで一夜置く事をお勧めします ★
(13)屋根にエアコン、パンタ、ランボード取り付け用の穴を開けます。目印は細い線です。
★カッターの刃を一枚折り、新しいよく切れる状態にしてから切って下さい。
←写真29 エアコンの穴開け
写真30、31 ランボードとパンタの穴開け
★各部品の取り付け時はちゃんと根元まで入るか、先に仮組みで試すことをお勧めします。
(14)ランボードを付けます。足を半分差し込んだ形で内側に糊をつけ(写真32、白矢印の部分)、
屋根に押し込みます。足は差し込み後に屋根裏から糊を流して固定。曲げる必要はありません。
写真32、33
(15)パンタグラフとエアコンをつけます。
屋根に差し込み、上下前後から見て曲っていない事を確認したら、
屋根裏から足に、箸など長い棒に付けた糊を流して固定します。
写真34、35 取り付け後に天井裏から接着する
写真36 連結器の外観 写真37台車アタッチメント
(16)連結器を作り、運転席下の床面に貼り付けます。
前端は運転席前面に揃えます。
(17)最後に台車を車体に取り付けます。
直接貼り付けるか、オプションのアタッチメントを使います。
台車には前後の向きがありますのでご注意。これで車体は完成です。
(18) 仕上げのタッチアップ。
妻板など、紙のエッジが白く出ている部分を、オレンジ色のサインペンで
塗ると、外観がきれいになります。
★応用のご提案
○H0ゲージ用のパンタグラフや連結器は、KATOやTOMIX、アクラスなどから
比較的安い分売パーツが発売されています。
○既製の動力ユニットでH0ゲージ線路を自走させる事も可能です。
天賞堂の「パワートラック」や日光モデルの金属製台車を使い、
床の穴をプラ板や木の板で塞げば取り付け可能です。
○走行化などで車体を強固にしたい方は裏打ちの追加や、桧棒を入れるなど補強して下さい。
〇より良い作り方や皆さんの作品などありましたらお知らせ下さい。ホームページで公開できます。
「紙の電車」URL http://www.papertram.com/