紙の電車・裏ワザ集



●紙の電車・作者がやっている裏技●

★接着は薄く広げ、少し待ってから
★弱めたセロテープで仮固定
★エアコンの角をシャープに出す「筋切り」
★裏から木工用ボンドを流す
★前後面(妻板)を押し込んで屋根カーブを正確に出す
★切り口をサインペンで塗る
★紙の継ぎ目の穴をパテ代わりに水彩絵の具で塞ぐ
★パンタグラフをくり抜く


★接着は薄く広げ、少し待ってから
 木工用ボンドは生乾きの時、粘着力が急に高まるタイミングがあります。
 車体前面などを貼る時は、ボンドをへらで薄く広げ、少し待ってから貼ると位置決めが楽です。

★弱めたセロテープで仮固定
 ボンドが乾くまで次工程に進めないのは非効率なので、私は仮止めを活用します。
 粘着力の弱いテープを買えば良いのですが、よくあるセロテープでも一度衣な貼り、粘りを弱くすれば十分使えます。
 なお仮止めは、木工用ボンドの水分が完全に乾くまでは剥がさないで下さい。
 紙が湿っているうちに剥がすと、紙の表面と一緒に印刷がはがれて汚くなってしまいます。

★エアコンの角をシャープに出す「筋切り」
 エアコンなど90度以上に角張った部分をシャープに出したい場合には、折り目に沿って先にカッターでごく浅く筋を入れます。
(ボールペンによる裏面の「筋押し」と区別するために、ここでは「筋切り」と呼びます)
 歯はなるべく折ったばかりの、新しい状態が良いです。
 力の入れ具合としては、カッター自身の重みでなぞる程度でも十分なようです。
 なお車体など、強度を要する部分には適しません。切った部分がほつれたり破れたりしますのでご注意。

★裏から木工用ボンドを流す
 エアコンやパンタの取り付けでは、長い差し込みを入れる様に出来ています。
 これは先に差し込んで部品の位置を安定させることが狙いです。
 差し込みに先にボンドを付けてしまうと、水分でヘニャヘニャになって差せません。

 先に差して位置を決めてから、内側から差し込みと屋根の間にボンドを流すときれいに仕上がります。
 ボンドは細長いヘラ(紙片で作ってもよい)、竹ひごの先に塗り、床に抜いた台車の着脱穴(約2cm四方)から入れて付けます。

★前後面(妻板)を押し込んで屋根カーブを正確に出す
 妻板の屋根カーブは正確に作ってありますので、これを屋根の内側に入れれば自然に突っ張って、紙を曲げたとは思えない実感的な形に作れます。
 車体側面や床に妻板を接着したら、妻板の縁を指で押して、屋根の下へ押し込みます。奥に行きすぎない様にご注意。
 固定するには前出の低粘着テープを使い、屋根と妻板の間を押さえ、裏側からヘラなどでボンドを流します。
 これにより妻板をしっかり固定できますし、車体の強度も高まります。
 またごく小さな隙間なら裏側のボンドで隠せます。
【ご注意】仮止めテープを剥がす時は、ノリが乾いてからにして下さい。
 紙が乾かないうちに剥がすと印刷が一緒に剥がれて汚くなってしまいます。

★切り口をサインペンで塗る
 見本写真の車両に施してあるメーキャップです。
 白い切り口を緑やオレンジのサインペンで塗ると、前から見た時などの印象が格段と良くなります。
 但しそのまま切り口を塗ると、側面にペンのインクがにじみ、汚くなってしまいます。
 これは今の塗工紙が、表面にしかにじみ防止剤(サイズ剤)を塗っていないからです。
 先に切り口に、水でゆるくしたでんぷん糊を塗り、乾かしてから塗るとにじみにくくなります。
 (でんぷん糊と水の量の比率は、目分量で1対1程度で良いようです)
 染物の世界でも言う「サイジング」です。

★紙の継ぎ目の穴をパテ代わりに水彩絵の具で塞ぐ
 上記の作業で、どうしても埋まらない穴が継ぎ目に出来てしまう時もあります。
 パテでも詰めたい所ですが、樹脂ではサインペンのインクが乗りません。
 子供が使う水彩絵の具で近い色を使い、原液を薄めずそのまま盛ると上手く塞がる場合があります。
 乾燥には時間がかかります。乾くまで絶対に触らないでください。

★パンタグラフの枠をくり抜く
 キットのパンタグラフは、枠線を印刷表現してあります。
 通常は外側の輪郭だけ切って作りますが、頑張れる方は枠線をくり抜いてみて下さい。
 コツは、くり抜く前に折りグセをつけておく事です。
 くり抜いてから曲げようとしても、枠の弱い部分で曲がってしまうので上手くいきません。
 この折り目も、エアコン同様表側からカッターで筋付けしておくと曲げ易くなります。


作者が裏ワザを駆使した岳南電車の電気機関車ED402。
切り口をサインペン塗りし、パンタの枠や、運転席前の手摺をくり抜きました。
(キットは岳南電車から発売中です)

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